Japanese
English
臨床経験
dysplastic typeの腰椎すべり症に合併した若年性椎間板ヘルニアの1例
A Case of Juvenile Lumbar Disk Herniation Associated with Dysplastic Type Spondylolisthesis
金谷 貴子
1
,
原田 俊彦
1
,
宇野 耕吉
1
,
井口 哲弘
1
,
廣畑 和志
1
Takako Kanatani
1
1神戸大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kobe University School of Medicine
キーワード:
若年性ヘルニア
,
juvenile lumbar disk herniation
,
脊椎すべり症
,
spondylolisthesis
,
dysplastic type
Keyword:
若年性ヘルニア
,
juvenile lumbar disk herniation
,
脊椎すべり症
,
spondylolisthesis
,
dysplastic type
pp.1069-1072
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900944
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抄録:症例は14歳,女性で主訴は腰痛と右下肢痛である.著明なtight hamstringsがあり,Lasegue徴候は右30度陽性であった.また,右長母趾屈筋の筋力低下とSI領域の知覚低下など,典型的な若年性椎間板ヘルニアの症状を呈していた.膀胱直腸障害はなかった.X線学的検査ではL5椎体の無分離すべりを認め,すべり度は40%であった,また,第1仙椎の上縁は円形化を呈し,椎弓の低形成もあり,dysplastic typeのすべり症と診断した.なお本症には,耳介変形,翼状肩甲,染色体異常等の先天性異常があったが,これらとすべり症との関係は不明であった.MRI,CTM,CTDなどの諸検査によりL5/SI間に椎間板ヘルニアを認め,dysplastic typeの腰椎すべり症に伴う椎間板ヘルニアと診断し,Loveの術式によるヘルニア摘出術を施行した.術後2年を経過した現在では,腰下肢痛も消失し復学している.今後すべりの増強に伴う症状の再発があれば,固定術を追加する予定である.
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