Japanese
English
臨床経験
踵骨multifocal ossificationの2例
Multifocal Ossification of the Os Calcis
向井 宏
1
,
藤井 英夫
1
,
佐藤 進
1
,
工藤 俊男
1
,
上原 香
1
Hiroshi Mukai
1
1姫路聖マリア病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Himeji St. Mary Hospital
キーワード:
multifocal ossification
,
踵骨
,
calcaneus
,
先天異常
,
anomaly
Keyword:
multifocal ossification
,
踵骨
,
calcaneus
,
先天異常
,
anomaly
pp.949-953
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900920
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抄録:非常に稀な踵骨multifocal ossificationを2例経験したので報告する.症例1)2歳,男.左扁平足のため来院した.X線上,両踵骨前方3分の1の骨陰影が欠損していた.足底挿板を装用し足部変形は矯正された.成長に伴いX線での踵骨前方の骨陰影欠損部には骨核が出現し,それらは徐々に大きくなり,8歳時には踵骨は正常の形態を示した.症例2)4週,女.右足部変形を主訴に来院した.右足部は外反踵足を示した.X線上,両踵骨は後方3分の1に点状の骨核が散在するのみであった.足部変形はギプスおよび装具により矯正された.X線上,1年後,踵骨後方に骨核が出現し,2年後,前方にも骨核が現れ,両者は癒合しようとしていた.過去の文献上,本症は踵骨外反変形を高率に合併していたが,両者の間に困果関係があるとは断定できない。また,本症は足部の変形がない限り,経過観察のみで充分と思われるが,2~3歳児では足底挿板も考慮すべきかもしれない.
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