Japanese
English
臨床経験
小児大腿骨頸部骨折における血行の検討
A Study of Vascular Changes of the Femoral Neck Fracture in Children
武村 康
1
,
渥美 敬
1
,
吉田 雅之
1
,
山野 賢一
1
,
佐藤 哲夫
1
,
村木 稔
1
,
斉藤 進
1
,
黒木 良克
1
Yasushi Takemura
1
1昭和大学藤が丘病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Showa University, Fujigaoka Hospital
キーワード:
小児大腿骨頸部骨折
,
femoral neck fracture in children
,
選択的動脈造影
,
selective angiography
,
大腿骨頭壊死
,
osteonecrosis of the femoral head
Keyword:
小児大腿骨頸部骨折
,
femoral neck fracture in children
,
選択的動脈造影
,
selective angiography
,
大腿骨頭壊死
,
osteonecrosis of the femoral head
pp.939-944
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900918
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:大腿骨頸部骨折は高齢者に頻発する骨折であり,幼小児に起こる頻度は低い.
今回我々は,大腿骨頭の血行変化を選択的動脈造影にて観察した4例の小児大腿骨頸部骨折を経験したので報告する.受傷時年齢は10~15歳(平均12.5歳),受傷時からの平均経過観察期間は,3年1カ月であった.4例中1例は保存的療法,3例は観血的整復固定術を施行した.手術を行った3例中2例は術前および術後に,残り1例は術後のみに造影を行った.術前造影では2例とも骨頭内に正常な血管形態を認めず,術後造影においては,1例は正常形態に近い血管が造影され予後も良好であり,他の2例では正常血管を認めず壊死に至った.保存療法の1例は,ほぼ正常の血管が観察され,予後良好であった.以上より,受傷時に起こる大腿骨頭の虚血後の修復血行の侵入進行程度がその予後に影響を及ぼすことが示唆された.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.