整形外科を育てた人達 第105回
小谷 勉教授(1917-1976)
天児 民和
1
1九州大学
pp.816-819
発行日 1992年7月25日
Published Date 1992/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900894
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小谷教授に私が注目したきっかけ
今回,小谷勉教授の伝記を書く決心をした理由は少し複雑だが,そのことから書き始めたい.昭和32年に日本手の外科学会を開催した.これは,手の外科の開拓者であり米国の権威あるBunnellの手紙を持ってHarry Millerが来日し,私にその手紙を手渡されたことがきっかけとなった.
この手紙には「人の生活には手の機能が大切であるが,生命に直接関係がないので,医学界でも重要視しないのは残念である.先日,米国の日本医学教育視察団が九州大学を視察し,手の外科を少数ではあったが実施していたとの報告を聞き,日本に手の外科学会を設立してこの方面の発展に協力を頼みたい」と書いてあった.そこで早速,神戸で手の外科学会を開催した.集まった人は少数であったが,第1回手の外科学会となった.
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