特集 主題・腰部脊柱管狭窄症/パネルI・脊椎転移性腫瘍の手術的治療/パネルII・脊椎脊髄MRI診断(第20回日本脊椎外科学会より)
主題 腰部脊柱管狭窄症
〈座長総括〉腰部脊柱管狭窄症研究の進歩―手術的治療―除圧と椎弓拡大術(I-I-26~II-50)
河合 伸也
1
1山口大学
pp.328-329
発行日 1992年4月25日
Published Date 1992/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900815
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腰部脊柱管狭窄症は,馬尾,神経根の絞扼性neuropathyであることを考慮すると,本症の治療の根幹は絞扼神経の除圧・減圧である,絞扼神経の除圧・減圧は必ずしも手術的操作のみを意味するものではない.馬尾,神経根の絞扼障害の程度や様態は様々であり,例えば腰部の姿勢の変化にて神経の減圧をもたらせ得るし,神経(その周辺組織も含めて)の浮腫や腫脹は薬物や局所安静によって軽減し得る.そこに保存的治療の意義がある.
とはいえ,手術によって直接に神経の絞扼を除去する操作を必要とする症例が多く,しかも症例によっては著しい効果を期待できる点において,手術的治療は本症の治療のなかで重要な役割を占めている.それ故に,手術的治療の適応・手技・成績・限界などを明確にしておくことが主要な話題であり,今回の発表の半数以上が手術的治療に関する内容である.
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