Japanese
English
臨床経験
後腹膜腔に発生した神経鞘腫の1例
A Case of Retroperitoneal Schwannoma
茶野 徳宏
1
,
斎藤 潤
1
,
石澤 命仁
1
,
松本 圭司
1
,
福田 眞輔
1
,
岡部 英俊
1
Tokuhiro Chano
1
1滋賀医科大学整形外科教室中検病理
1Department of Orthopaedic Surgery, Shiga University of Medical Science
キーワード:
後腹膜腔
,
retroperitoneal space
,
神経鞘腫
,
schwannoma
,
超音波外科用吸引装置
,
CUSA
Keyword:
後腹膜腔
,
retroperitoneal space
,
神経鞘腫
,
schwannoma
,
超音波外科用吸引装置
,
CUSA
pp.1329-1332
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900476
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抄録:後腹膜原発の良性神経鞘腫の報告は比較的稀で,それらも腹部外科および泌尿器科領域での報告が多く,整形外科にて治療されることは少ない.最近我々は,本腫瘍を経験したので報告する.症例は49歳女性で,約20年間の経過観察の後,手拳大に増大した後腹膜腫瘤と腫瘤圧迫による右下肢への放散痛のために,当科へ紹介された.臨床症状,CT等より神経鞘腫を疑い,摘出術を施行した.病理組織学的には,Antoni A/B型であったが,二次変性が強く,神経線維腫との鑑別を要した.当疾患が術前に診断されることは稀であるが,本症例では腫瘤圧迫による末梢への放散痛が特徴的であり,診断に役立った.また本症の様に腫瘍が巨大であった場合でも,超音波外科用吸引装置(CUSA)を使用して腫瘍容積を縮小すれば,発生母地の神経を可及的に温存することが可能であった.
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