Japanese
English
臨床経験
外傷性環椎後頭脱臼の1生存例
Traumatic Atlanto-occipital Dislocation: Report of a Case with Survival
川越 一慶
1
,
細野 昇
1
,
米延 策雄
1
,
小野 啓郎
1
,
平山 直樹
2
Kazuyoshi Kawagoe
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
2千里救命救急センター
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
環椎後頭脱臼
,
atlanto-occipital dislocation
,
整復
,
reduction
,
屈曲損傷
,
flexion injury
Keyword:
環椎後頭脱臼
,
atlanto-occipital dislocation
,
整復
,
reduction
,
屈曲損傷
,
flexion injury
pp.869-872
発行日 1991年7月25日
Published Date 1991/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900393
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抄録:われわれは,致死的損傷であることが多い外傷性環椎後頭脱臼の1生存例を経験したので報告する.患者は6歳男児.単車にはねられ受傷.意識消失の状態で,3次救命施設に搬送された.当初の頸椎単純X線像では後咽頭腔の拡大を認めるのみと判断されたが徐々に斜頸が明らかとなり,受傷後6週目に高度の環椎後頭前方脱臼および回旋性環軸椎亜脱臼が判明した.当科へ搬送後,X線透視下に神経症状をチェックしながら意識下整復を試みた.この際,頭尾方向への牽引は避け,随意的に頸椎を伸展させることによりおおむね矯正位が得られたので,この位置で後方固定術を施行した.現在は骨癒合が得られており就学中である.環椎後頭脱臼の受傷機転に関して従来の報告例では伸展損傷とされてきたが,本症例では右側屈・左回旋性の環軸椎亜脱臼等から考えて,その受傷機転は屈曲損傷であると推測された.
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