Japanese
English
論述
原発性中心性軟骨肉腫の10例―そのX線診断の困難性について
Ten Cases of Primary Central Type Chondrosarcoma: The Difficulty of Its X-ray Diagnosis
伊崎 寿之
1
,
花岡 英弥
1
,
矢部 啓夫
1
,
入 久巳
2
Hisayuki Isaki
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2慶應義塾大学医学部中検病理
1Department of Orthopedic Surgery, Keio University School of Medicine
キーワード:
軟骨肉腫
,
chondrosarcoma
,
中心性
,
central type
,
診断上の問題
,
diagnostic problem
,
原発性
,
primary
Keyword:
軟骨肉腫
,
chondrosarcoma
,
中心性
,
central type
,
診断上の問題
,
diagnostic problem
,
原発性
,
primary
pp.799-804
発行日 1991年7月25日
Published Date 1991/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900381
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抄録:原発性中心性軟骨肉腫の画像診断はかなり困難で,このため初期治療方針に苦慮することが多い.当院を受診した軟骨肉腫患者22例中10例の原発性中心性軟骨肉腫について検討するとX線診断でfirst choiceとしてあげた診断名は軟骨肉腫4例,線維性骨異形成症3例,内軟骨腫・骨巨細胞腫・骨肉腫各1例と診断率は低かった.理由として良性腫瘍と診断した4例は境界が割合と明瞭で骨皮質が保たれ,膨隆がないか,あっても軽度で,石灰化も良性を思わせる像で,更に一見すりガラス様陰影を呈した例もあったことなどであった.一方,病理診断はこれと比較して容易であった.
初回手術はそれまでに診断のついた7例は広範囲切除術以上を試みたが,他の3例は掻爬・骨移植術を施行した.X線診断上良性と思われる腫瘍でも中心性軟骨肉腫などの存在を認識し,術前に生検を含めた十分な検索を行うことが必要であろう.
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