Japanese
English
臨床経験
滑膜性骨軟骨腫症に続発した膝関節軟骨肉腫の1例
Chondrosarcoma of the Knee Joint Arising from Synovial Osteochondromatosis : A Case Report
久田原 郁夫
1
,
前田 朗
1
,
島田 幸造
1
,
米田 稔
1
,
山崎 大
1
,
小林 晏
2
,
林田 賢治
3
Ikuo Kudawara
1
1大阪厚生年金病院整形外科
2大阪厚生年金病院病理検査科
3大阪大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka Koseinenkin Hospital
キーワード:
chondrosarcoma
,
軟骨肉腫
,
synovial osteochondromatosis
,
滑膜性骨軟骨腫症
,
knee joint
,
膝関節
Keyword:
chondrosarcoma
,
軟骨肉腫
,
synovial osteochondromatosis
,
滑膜性骨軟骨腫症
,
knee joint
,
膝関節
pp.1191-1195
発行日 1997年10月25日
Published Date 1997/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908361
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抄録:2次性軟骨肉腫のなかでも稀な滑膜性骨軟骨腫症に続発した膝関節軟骨肉腫の1例を経験したので報告する.
症例は71歳男性で,右膝関節痛と関節可動域制限を主訴として来院した.過去2年間に,他院にて膝関節の滑膜性骨軟骨腫症の診断で関節内遊離体の摘出術を2回受けていた.当科でも当初は骨軟骨腫症の再発と診断し,関節内遊離体摘出,滑膜切除を施行した.しかし,7ヵ月後に再発しCT,MRIにて骨侵食像を認め,悪性化を疑い切開生検術を施行した.組織像は,当科における初回手術時の像に加えて骨梁間に腫瘍組織の浸潤があり,また短期間に再発したという臨床経過より滑膜性骨軟骨腫症に続発した軟骨肉腫と診断した.治療は,患肢温存術を選択し,人工関節置換術を行った.術後1年7ヵ月であるが,局所再発や遠隔転移は認めていない.
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