Japanese
English
臨床経験
距骨紛失を伴う開放性距骨完全脱臼(missing talus)の2例
Two Cases of Missing Talus
平泉 裕
1
,
原 徹也
2
,
高橋 雅足
2
,
前広 進
2
Yutaka Hiraizumi
1
1昭和大学医学部整形外科
2東京都立広尾病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Showa University School of Medicine
キーワード:
距骨紛失
,
missing talus
,
開放性距骨完全脱臼
,
open total dislocation of talus
Keyword:
距骨紛失
,
missing talus
,
開放性距骨完全脱臼
,
open total dislocation of talus
pp.773-776
発行日 1991年6月25日
Published Date 1991/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900375
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:非常に稀な,距骨紛失を伴う開放性距骨完全脱臼の2例に対し,異なる治療法を経験した.症例1は20歳,男性で,オートバイ事故により右足部を内反,内転,底屈強制され,距骨開放性完全脱臼が生じ距骨を紛失した.3時間後に距骨が発見され,デブリードマン後直ちに解剖学的位置に戻された.創は治癒し,荷重開始後に阻血性壊死が生じたため一時免荷を要したが,1年後には歩行時痛が消失し,原職に復帰した.症例2は26歳,男性で,右足部を症例1と同様の機転で受傷した.紛失した距骨は3日後に発見されたが整復せず,創が治癒した2ヵ月後に脛骨に踵骨の接触面で荷重を開始した.しかし,疼痛と変形性関節症様の変化を生じたため関節固定術を施行.4cmの脚長差のため補高靴を要するが歩行時の疼痛はなく,機能的には良好である.距骨を温存するためには超早期の観血的整復術が必要であるが,どちらの治療法も機能的には良好な術後成績が得られた.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.