Japanese
English
症例報告
開放性距骨完全脱臼の1例
Open Total Dislocation of the Talus : A Case Report
渡辺 隆洋
1,2
,
石田 博英
1
,
柳橋 寧
1
Takahiro Watanabe
1,2
1八雲総合病院整形外科
2現:市立釧路総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Yakumo General Hospital
キーワード:
talus
,
距骨
,
total dislocation
,
完全脱臼
,
aseptic necrosis
,
無腐性壊死
Keyword:
talus
,
距骨
,
total dislocation
,
完全脱臼
,
aseptic necrosis
,
無腐性壊死
pp.1231-1234
発行日 2002年10月25日
Published Date 2002/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903664
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抄録:非常に稀な開放性距骨完全脱臼の1例を経験したので報告する.症例は52歳の男性で,自動車の助手席に乗車中に運転手が急ハンドルを切った際,車外に投げ出され,その直後に横転した車の下敷きになり受傷し,同日当科外来に搬送された.初診時に左足部外側の開放創より遊離はしていないものの距骨が完全に脱出しているのが確認された.このため直ちに洗浄とデブリードマンならびに距骨を整復した.術後は距骨の無腐性壊死発生を調査するためにMRI撮影を行った.術後早期にはT1強調画像でlow intensity,T2強調画像でhigh intensityと壊死を疑わせる所見が認められた.しかしながらこれが経過とともに変化し,術後10カ月経過時にはMRI上明らかな壊死を疑わせる所見を認めなかった.本症例では距骨への血行は途絶していると考えられるが,受傷後早期に脱臼を整復しており,これが壊死を生じなかったひとつの要因である可能性が示唆された.
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