臨床経験
距骨脱臼骨折の治療—特に距骨骨髄造影を中心に
大渕 真爾
1
,
赤堀 治
1
,
檀浦 生日
1
,
越宗 義三郎
1
,
小比賀 薫
1
,
角南 義文
2
,
尾上 寧
3
,
定金 卓爾
3
,
原 靖隆
3
Shinji OHBUCHI
1
1岡山済生会総合病院整形外科
2岡山大学医学部整形外科学教室
3水島中央病院整形外科
pp.789-796
発行日 1975年9月25日
Published Date 1975/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905239
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はじめに
距骨骨折は,Aviator Astragalus1)ともいわれ,第二次大戦中の飛行士に多発したが,労災事故,交通事故の多い今日でも,決してまれな外傷ではない,そして距骨は,全体の3/5は軟骨で被われた複数の関節面をもち,筋肉の起始,付着をもたないといつた解剖学的特殊性のため,外傷性関節症や無腐性壊死をも合併し,これらが治療大上の問題点となることがある.
とくに,無腐性壊死は,長期間の免荷固定を続けるか1〜4),距骨下関節の固定術等を行なえば5〜8)多くの場合,血流の再開をきたすが,荷重の時期を誤まると,collapseを生じ重篤な合併症となることがあるといわれている.しかし実際には単純X線などで荷重の時期を決定することは困難なことが多い.
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