Japanese
English
臨床経験
軟部襄腫性病変に対するフィブリン接着剤の使用経験
The Treatment of the Cystic Lesion of Soft Tissue Using Fibrin Adhesive System (FAS)
重野 陽一
1
,
福島 美歳
1
,
山本 浩司
1
,
清水 広太
1
,
李 勝博
1
,
辻村 亨
2
,
片山 正一
2
,
中村 宣雄
3
,
白川 一夫
4
Yoichi Shigeno
1
1国立呉病院整形外科
2国立呉病院臨床検査科
3住友病院整形外科
4マッターホルン整形外科病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Kure National Hospital
キーワード:
フィブリン接着剤
,
fibrin adhesive system
,
滑液包炎
,
bursitis
,
膝窩部襄腫
,
popliteal cyst
,
ガングリオン
,
ganglion
Keyword:
フィブリン接着剤
,
fibrin adhesive system
,
滑液包炎
,
bursitis
,
膝窩部襄腫
,
popliteal cyst
,
ガングリオン
,
ganglion
pp.307-309
発行日 1991年3月25日
Published Date 1991/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900311
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抄録:整形外科領域での臨床応用が注目されつつあるフィブリン接着剤を,保存的治療に難渋を示し,患者が手術的治療を希望しない軟部襄腫性病変に用い,良好な結果を得た.対象疾患は,膝窩部襄腫4例,足関節背側滑液包炎3例,膝蓋前滑液包炎1例,手関節背側ガングリオン1例で,9例いずれの症例も過去に穿刺歴が複数(2~23)回あり,これに強い抵抗を示したものであった.処置後1.5~13カ月の経過観察を行ったが,7例は処置後消退し,2例に再発を認めた.再発例のうち1例は摘出術を実施したが,その病理組織所見は滑膜組織よりフィブリン接着剤内へ,毛細血管網の新生と線維性肉芽組織の侵入を認めた.他の1例は再度同処置を実施し消退を認めた.
フィブリン接着剤は,骨・軟骨領域を中心に神経,半月板などにも広く利用されつつある.今回の試みにより,軟部襄腫性病変にも有効であることが示唆された.
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