Japanese
English
臨床経験
両側の膝蓋部に石灰沈着を認めたCRST症候群の1例
A Case of CRST Sydrome with Prepatellar Calcinosis
宮城 登
1
,
多胡 秀信
1
,
原 理恵子
1
,
向 和男
1
,
吉田 豊
2
,
竹嶋 康人
3
Noboru Miyagi
1
1市立釧路総合病院整形外科
2市立釧路総合病院検査科病理
3市立釧路総合病院内科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kushiro Municipal General Hospital
キーワード:
CRST症候群
,
CRST sydrome
,
CREST症候群
,
CREST sydrome
,
全身性硬化症
,
systemic sclerosis
,
石灰沈着
,
calcinosis
Keyword:
CRST症候群
,
CRST sydrome
,
CREST症候群
,
CREST sydrome
,
全身性硬化症
,
systemic sclerosis
,
石灰沈着
,
calcinosis
pp.103-108
発行日 1991年1月25日
Published Date 1991/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900276
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抄録:CRST症候群は1964年にWinterbauerが全身性硬化症の1亜型として報告した症候群である.両膝の軟部組織に石灰沈着を来し,手術的治療を要したCRST症候群の1例を経験したので報告する.症例は,48歳の女性で,両膝の膝蓋部に板状の硬結と圧痛があり,X線写真では両側の膝蓋部に石灰沈着像を認めた.両手指には末梢性の皮膚硬化,レイノー現象を認め,前胸部の皮膚には血管拡張が存在した.食道バリウム造影では食道の拡張や蠕動低下を認めなかった.両膝の疼痛が持続するため硬結部の切除術を施行した.切除標本は円板状であり,切除面は白色で石膏様であった.組織学的所見では石灰沈着と思われる無構造組織が皮下に散在していた.術後に創治癒遷延傾向がみられ手術創の治癒に3週間を要した.術後1年10カ月の現在,両膝蓋部の疼痛と硬結は消失しており,X線写真上でも石灰沈着の再発傾向を認めない.
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