Japanese
English
臨床経験
非定型抗酸菌感染による手関節部腱鞘滑膜炎の1例
A Case of Tenosynovitis of the Wrist Joint due to the Atypical Mycobacterium Infection
北川 篤
1
,
辻本 和雄
1
,
高田 正三
1
,
津村 暢宏
1
,
藤田 久夫
1
,
多田 公英
2
Atsushi Kitagawa
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター整形外科
2西神戸医療センター呼吸器科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Prefectural Rehabilitation Center
キーワード:
tenosynovitis
,
腱鞘滑膜炎
,
atypical mycobacterium
,
非定型抗酸菌
,
mycobacterium intracellulare
,
マイコバクテリウムイントラセルラレ
Keyword:
tenosynovitis
,
腱鞘滑膜炎
,
atypical mycobacterium
,
非定型抗酸菌
,
mycobacterium intracellulare
,
マイコバクテリウムイントラセルラレ
pp.909-912
発行日 2000年7月25日
Published Date 2000/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903045
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:左手関節部屈筋腱腱鞘に発症した非定型抗酸菌感染症を経験した.症例は64歳の男性.1994年2月頃,左母指全体の腫脹,1995年2月頃より左手関節掌側に,大きさ5×4cmで境界明瞭,周囲との癒着のない腫瘤を認めた.単純X線上,手根骨に骨嚢胞形成,骨萎縮像を呈し,MRIでは,境界明瞭の腫瘤状陰影を認めた.1998年2月3日,病巣郭清術施行し,病理組織上,リンパ球浸潤と少数の多核巨細胞による肉芽形成を認めた.また,一般細菌,嫌気性菌培養は陰性であったが,抗酸菌培養にてMycobacterium intracellulareが同定され確定診断に至った.4月下旬より,REF・EB・CAM・KMによる多剤併用療法を開始し,1年後の現在,腫脹の消退を認めている.同菌種による整形外科領域での報告は少なく,難治性の手の腱鞘炎の診断に際しては本症を考慮する必要があると考えられた.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.