Japanese
English
論述
恥骨・坐骨切除後の骨盤環不安定性―有限要素法を用いた検討
Instability of the Pelvic Ring after Resection of the Unilateral Pubis and Ischium: Investigation with Finite Element Method
佐藤 啓二
1
,
高橋 満
1
,
深谷 直樹
1
,
中西 啓介
1
,
三浦 隆行
1
,
小西 伸夫
2
Keiji Sato
1
1名古屋大学医学部整形外科学教室
2愛知県済生会病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
骨盤不安定性
,
pelvic instability
,
骨盤切除
,
pelvic resection
,
有限要素法
,
finite element method
Keyword:
骨盤不安定性
,
pelvic instability
,
骨盤切除
,
pelvic resection
,
有限要素法
,
finite element method
pp.125-129
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900020
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抄録:骨盤発生腫瘍の手術治療の問題点として,骨盤環不安定性の有無が危惧されるところである.股関節を残し,一側の恥骨・坐骨をともに切除した軟骨肉腫の1症例について,仙腸関節の過負荷の有無および骨盤環不安定性の有無を知る目的にて,有限要素法を用いた検討を行った.症例:19歳,女性.手術前の骨盤環には,骨の変形,欠損,破壊等はなく,これを三角形要素118個,節点数87個からなる正常モデルとし,また切除後に相当するモデルを,正常モデルから要素を取り除くことで作製した.正常モデルにおいては,仙腸関節の上端に引っ張り応力が,下端に圧縮応力が集中し,骨盤環切除後にはそれぞれ値は1.4倍に増加した.また骨盤環の変位度は,反対側の前上腸骨棘部が最大であり,手術に伴い0.07mmより0.1mmに増加した.手術後1年の現在症状は全くないが,経過観察により値の変化の意味するところを検討する予定である.
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