増大号特集 絶対! 整形外科外傷学
6章 学会会場
高齢者開放骨折の問題点
小暮 敦史
1
,
野坂 光司
2
,
二村 謙太郎
3
,
濱田 大志
4
Atsushi KOGURE
1
,
Koji NOZAKA
2
,
Kentaro FUTAMURA
3
,
Daishi HAMADA
4
1仙台市立病院 整形外科
2秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系 整形外科学講座
3湘南鎌倉総合病院 外傷整形外科
4産業医科大学 外傷再建センター
1Department of Orthopaedic Surgery, Sendai City Hospital
2Department of Orthopedic Surgery, Akita University Graduate School of Medicine
3Department of Orthopaedic Trauma, Shonan Kamakura General Hospital
4Trauma Reconstruction Center, School of Medicine, University of Occupational and Environmental Health
pp.680-687
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408203001
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
現在,日本の65歳以上人口の割合は約29%であり,世界でも有数の超高齢社会である1).総人口が減りつつあるなかで,65歳以上の高齢者人口は2045年頃までは増加を続けると推計されている1).高齢者の皮膚は脆弱なため,低エネルギーでも容易に開放骨折に至る.そのため,高齢者の開放骨折に遭遇する機会が増えており,今後も増えることが予想される.膝周囲や下腿・足関節付近の開放骨折では,皮膚・軟部組織が脆弱で破綻しやすく,Gustilo Type IIIA以下と予想した開放骨折がIIIBになったり2),骨が脆弱で早期荷重が困難だったりと,治療に悩むことが多い.2023年に筆者らでオンラインシンポジウムを開催し,論点を明らかにして討論を行ったので,整理して提示する.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.