書評
—エビデンスが教える—人工膝関節単顆置換術
岡崎 賢
1
1東京女子医科大学・整形外科学
pp.943
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202738
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本書は,文字通りUKAの全てを確固たるエビデンスを基に詳しく解説した類いまれなる教科書である.TKAについての同等の質・量を持った教科書は数あれども,UKAにおいてこれほど詳細に書かれた書物を私は知らない.しかもそれが著者のエキスパートオピニオンのみで語られるのではなく,タイトルに「エビデンスが教える」とあるように,全て研究論文や公式資料を基に解説されている点も特筆すべきである.
内容は隅々まで広く網羅されており,黎明期の開発の歴史などは,それぞれの製品において設計者がどのように考えて作られていったか,消えていったものはどのような経緯で失敗したのかなども詳細に書かれている.オールポリエチレンかメタルバックかモバイルベアリングかといった問題も力学特性やバイオメカニクスの観点から詳細に解説されている.Kozinn・Scottの古典的な適応はどういう経緯で提唱されたのか,Oxfordの哲学とはどのようなエビデンスを基に醸成されたか,フィックスベアリングとモバイルベアリングではどのような考え方の違いがあるのか,その手術手技はどうあるべきかなどはもちろん,最新のconstitutional alignmentの考え方からkinematic alignment UKAの手術手技,ロボット支援のUKA手技までも網羅されている.合併症や失敗の要因とサルベージ手術の考え方も示されている.
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