特集 整形外科領域における人工知能の応用
緒言
大鳥 精司
1
Seiji OHTORI
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
pp.1179
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202453
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今回,機会をいただき,“整形外科領域における人工知能の応用”を企画させていただいた.昨今の医療における人工知能の応用は加速度的に進んでいる.診断,治療,成績・予後予想など,多くの業績が散見される.整形外科領域でも同様であるが,その人工知能が果たして実臨床を凌駕しており,すべての医師に普遍的に使用可能であるかに関してはまだまだ課題を残す.
まず総論として,中原龍一先生に整形外科疾患に対する人工知能の応用の現状と今後の展望をご解説いただいた.次に各論として各領域の人工知能の応用に関してご執筆いただいた.脊椎領域では伊藤定之先生,小甲晃史先生,三浦正敬先生,牧聡先生,藪晋人先生,村田寿馬先生,それぞれに,人工知能を用いた脊髄腫瘍自動位置検出システム,側弯症検出システム,頚椎後縦靱帯骨化症の鑑別診断,頚椎後縦靱帯骨化症の手術成績,腰椎MRI画像から,また腰椎単純X線からの椎体骨折の診断をご執筆いただいた.各ご解説は大変素晴らしいものであり,今後のさらなる応用に期待が持てるものと感じている.脊椎領域において,腫瘍,椎体骨折,後縦靱帯骨化症は一般整形外科医師,またその他の診療科の医師にとっても見逃してはならない疾患であり,かつ難治性であり,今後ますますの精度・普遍性を期待したいところである.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.