視座
医学部入試について思う
高橋 謙治
1
Kenji TAKAHASHI
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
pp.332-333
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202294
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医学部入試は近年やや落ち着いてきたものの,かなりの難関であることに変わりはないらしい.都市部では小学生から厳しい勉強をして中学受験し,中高一貫校で勉強を怠らず塾にも通わないと合格はかなわないという.結果として毎年同じ進学校からの生徒が多くなる.日本の研究論文の質・量が国際的に低迷する中で,経歴においても偏差値においても均質な学生を集めて特徴のない教育をしていては,もはや国際的に通用する才能は輩出できないのではないかという危惧がある.もっと多様な学生に入学させるべきか,今までどおり入試時点での成績優秀者をとるべきか,入試改革の議論が行われ始めている.地域医療貢献を希望する人,国際的な研究を目指す人,医療行政に興味がある人,いろいろな若者に入学してほしいと個人的には思う.
大学入試とは言うまでもなく入学に際して大学が求める要件や力をクリアしているかどうかを見極める試験である.大学が求める要件は「アドミッションポリシー」に示される.個別試験と共用試験の配点割合,推薦枠,前期後期どちらも試験が受けられた時代など母校の歴史的な試験制度の変遷を調べても,どのような入試が「アドミッションポリシー」に合う生徒を選別するのに適切か見当がつかない.
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