特集 外来で役立つ 足部・足関節の超音波診療
緒言
高倉 義幸
1
Yoshiyuki TAKAKURA
1
1高倉整形外科クリニック
pp.976
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202105
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近年,高解像度・高画質の超音波診断装置が改良され,整形外科医が超音波診断装置を使用し運動器疾患に対する診療を行うことが普及しつつある.さらに,開発・製造する各社の努力により,装置の高解像度化や小型化がなされ,ポータビリティーがよくなり,スポーツの現場や術中の画像診断にまでその診療活動範囲が拡がり,ますます運動器すなわち整形外科学領域の超音波診療が盛んに行われるようになってきている.ここ2年ほどの間に,高解像度で高画質を維持したまま,さらに軽量化されてワイヤレス化されたものが従来より安価に入手できるようになり,1人の整形外科医が1台の超小型ワイヤレス超音波診断装置をポケットに入れて診療に従事する時代が到来するのではないかと考えている.
内科医の聴診器のごとく超音波診断装置を使用することで整形外科の外来診療時に診察室のその場で容易に,スピーディーに,かつ低侵襲で繰り返しの検査が可能となり,得られる情報も豊富で多岐にわたる.それにより,整形外科医の外来診療も変化しつつあり,超音波検査から得られる情報をもとに,治療方針の決定や治療経過および治療成績の評価ができるようになってきている.また,日々の多忙な診療の中で行う超音波検査は,リアルタイムに患者と検査結果を共有でき,患者とのコミュニケーションを円滑にし,信頼関係の構築に寄与しており,外来におけるさらなる有用性が実証されつつある.
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