特集 整形外科×人工知能
緒言
石井 賢
1
Ken ISHII
1
1国際医療福祉大学医学部整形外科学教室
pp.892
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201763
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本邦では,少子高齢化,慢性期医療や在宅医療の需要の増加,医師の偏在化や働き方の多様化など様々な医療政策課題がある.それによる過酷な臨床現場の医師の過労に起因する医療ミスや過労死も報告をされている.この流れを受け,政府は医師の働き方改革に関する通知,ならびに2018年には診断や治療に人工知能(Artificial Intelligence:AI)を活用する“AIホスピタル計画”を発表した.AIの活用により,医療現場の効率化を図り,医療従事者の抜本的な負担軽減を実現することを目的として,2022年度末までには10のモデル病院を作る計画である.今後,整形外科領域を含む医療現場にはAIに代表される情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)が普及することが見込まれている.
本特集では「整形外科×人工知能」と題して,国際医療福祉大学の磯貝宜広先生にはその総論を,大阪大学の岡久仁洋先生には橈骨遠位端骨折を鑑別するAIの開発について,千葉大学の牧 聡先生には深層学習を用いた脊髄硬膜内髄外腫瘍の鑑別について,北海道大学の須藤英毅先生には情報処理技術(IT)を用いた側弯症手術の解剖学的4D矯正とAIに対する展望について,岡山大学の中原龍一先生には整形外科の画像診断領域における深層学習について,兵庫県立大学の小橋昌司先生にはAIによる整形外科手術ナビゲーションについて,ご解説いただいた.ご多忙の中ご執筆いただいた先生方に心より感謝申し上げたい.
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