誌上シンポジウム 整形外科を牽引する女性医師たち—男女共同参画
女性大学病院勤務医の働きかた・育てかた
野上 真紀子
1
Makiko NOGAMI
1
1富山大学医学部整形外科
pp.457-459
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201355
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私が富山医科薬科大学に入学した1995年,医学部医学科へ入学した女子学生の割合は4割を超え,医学部には女性が少ないというのはもはや過去の話であった.整形外科入局時にはすでに9名の女性入局者がおり,女性であることで入局をためらう理由はさほど感じなかった.入局後も,男性医師と同様に診療や手術を行い,大学院進学もされている先輩女性医師の姿を身近に見聞きし,将来の不安を感じることもなかった.むしろ,当時の心配事は,こんな自分と結婚してくれる相手がいるのかということであったが,何とか相手を見つけて結婚し,半ば計画的に時間の融通が利く(であろう)大学院時代に2児を出産した.
産後は,育児と仕事の両立のために相当の気合を入れてやらないと大変だ,という漠然とした予感は持ったものの,「何とかなるやろう」と,ひとまず常勤体制で復帰してみることにした.物心ついた頃から「夢は医者になること」と言い続けてきたため,まだ医師と名乗るのも憚られる半人前以下の身分で成長を止めたくない気持ちも強かった.幸い,妊娠・育児中の女性医師の勤務形態と業務内容に関して医局内に既存のルールはなく,医局長に当直免除と復帰時期に関して自分の希望を申し出るとすんなり受け入れてくださった.
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