Japanese
English
誌上シンポジウム 膝前十字靱帯のバイオメカニクス
受傷機転—Model-based Image-matching法を用いた解析
Injury Mechanisms:Video Analysis Using Model-based Image-matching Technique
古賀 英之
1
Hideyuki KOGA
1
1東京医科歯科大学大学院運動器外科学
1Department of Joint Surgery and Sports Medicine, Graduate School, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
前十字靱帯損傷
,
anterior cruciate ligament
,
ACL injury
,
受傷機転
,
injury mechanism
,
ビデオ解析
,
video analysis
Keyword:
前十字靱帯損傷
,
anterior cruciate ligament
,
ACL injury
,
受傷機転
,
injury mechanism
,
ビデオ解析
,
video analysis
pp.563-573
発行日 2018年7月25日
Published Date 2018/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201121
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Model-based image-matching(MBIM)法は,従来,視覚的分析に限られていた受傷シーンのビデオの詳細な解析を可能にし,非接触性ACL損傷のメカニズムの詳細を明らかにした.ACL損傷は接地後40ms付近で生じており,膝外反に伴う外側コンパートメントの圧迫力によって,膝内旋および脛骨前方移動が生じることによりACLが断裂する.また接地時からACL損傷時までの間,股関節は内旋位でほぼ一定であること,また足部は踵接地後足底が地面に固定されることから,接地時において股関節および足部によるエネルギー吸収が不十分となることから膝関節により大きな負荷がかかり,そのことがACL損傷に寄与している.以上から予防プログラムにおいて膝関節と股関節の両方に対するアプローチを行うこと,また接地前から危険を予知し,接地前の膝関節や股関節の動きをコントロールするための“feed-forward strategy”に焦点を当てることが重要と考えられた.
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