整形外科/知ってるつもり
3Dプリンターを用いたComplete Fit Brace(CFB)の開発:castに替わる固定法
加賀 望
1
,
山田 晋
2
,
島田 洋一
2
Nozomi KAGA
1
,
Shin YAMADA
2
,
Yoichi SHIMADA
2
1北秋田市民病院整形外科
2秋田大学大学院医学系研究科整形外科学
pp.356-361
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200792
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はじめに
骨折の保存療法としては,castを用いた固定法が一般的である1).Castを体表形状に合わせて巻きつけているが,体表との間に綿包帯などが介在するため,固定力・適合性に限界がある.また,固定の際に患者に疼痛を与えてしまう場合もある.
近年,3Dプリンターは医療分野において急速に普及しつつあり2),整形外科領域でも多用されている3).骨折手術や脊椎外科,骨軟部腫瘍領域などで術前の正確な立体認知のために3次元モデルを作製したり,術前手術シミュレーションや術中ナビゲーションが行われている4-6).また,カスタムメイドインプラントも実用化されている7,8).
現在,筆者らはcastに替わる新しい固定法として,3Dプリンターを用いた“Complete Fit Brace(CFB)”を開発し,臨床に応用している9).本稿では,実際の症例を提示し紹介する.
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