連載 慢性疼痛の治療戦略 治療法確立を目指して・2
痛みのメカニズムに応じた集学的治療
牛田 享宏
1
Takahiro USHIDA
1
1愛知医科大学学際的痛みセンター/運動療育センター
pp.1066-1068
発行日 2016年11月25日
Published Date 2016/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200681
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はじめに
慢性痛とは,治癒するのに要する時間が経過しても何らかの理由で痛みが続く状態を指す.本邦では人口の15%以上が有しているが,慢性痛患者は疼痛部位の問題(器質的要因)以外に精神的な要因や心理社会的な要因も複雑に絡み合って痛みを長引かせていることが多く,有効な治療が行われていないことが考えられる.現在の急性痛の処置・治療方法では改善困難であり,医療経済学的損失や社会損失となっている.このような複雑な痛みの診療は,病態を多面的に分析・治療する必要があるため,多職種が連携し様々な角度から治療にあたる必要がある.その際,レッドフラッグの除外は必須であり,さまざまな検査を行って重大な病変の有無を精査しなければならない.
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