連載 東アフリカ見聞録・9
熱帯雨林にいのち輝く(Lively-being in the Tropical Rain Forest)
馬場 久敏
1,2
Hisatosi BABA
1,2
1福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域
2Senior Advisory Board, SICOT-Japan Traumatology Education Centre, Department of Orthopaedics and Traumatology, Makerere University School of Health Sciences
2Senior Advisory Board, SICOT-Japan Traumatology Education Centre, Department of Orthopaedics and Traumatology, Makerere University School of Health Sciences
pp.864-866
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200632
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ウガンダ西部のアルバート湖からエドワード湖,南に下ってタンガニーカ湖,マラウイ湖はちょうど西部大地溝帯(West Great Rift Valley)に沿う,いわば地球の“皺”あるいは“ほうれい線”のようなもので,その南,ウガンダ西部からルワンダは幾千幾万の丘陵や高原地帯となっている.熱帯雨林ではあるが,蓼科や阿蘇草千里のような山岳・丘陵も地平線まで続いているというような特殊な風景である.それでも熱帯雨林なのだ.その熱帯雨林の中にあるムバララ大学に勤務する,ムラゴ(病院)の知り合いでスーダン系ルオ族のデヨ医師を訪ねていくことにした.外傷医学教育システム・ネットワークの強化のためである.
ウガンダ西部の主要都市・ムバララ市は人口十万人ほどであり,ヨウェリ・ムセベニ現大統領の出身地である.住民は首都では多数派のガンダ族ではなく,バンツー系ニャンコレ族が多い.彼らはかつて強大な最大部族ブガンダ王国やブニョロ王国と鼎立するアンコレ(Ankole)王国を建国した人たちである.ウガンダに加えケニア,タンザニア,東アフリカ全般に放牧されている,大きな2本の角を生やした牛をニャンコレ牛というが,この地方の原産である.
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