News & Master's View
世界に拡がるピアサポート―Peer Support Around the World
大石 まり子
1
,
黒江 ゆり子
2
,
森川 浩子
3
1大石内科クリニック
2岐阜県立看護大学大学院 看護学研究科
3福井大学 医学部看護学科
pp.552-555
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101241
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
◆見過ごすことができない糖尿病の負担
米国糖尿病実態調査(2011)によると,人口3億1,000万人のうち,糖尿病2,580万人(8.3%)と前糖尿病状態7,900万人(25.4%)が存在し,総人口の33.7%もの人々が糖尿病の脅威に日々さらされている1).米国民の1/3にも及ぶ人々が糖尿病・前糖尿病状態であるにもかかわらず,「糖尿病であることを誰にも知られたくない」「合併症がいつ起こるか,心配でたまらない」「やっとの思いで得た給料も,医療費として支払わなければならない.医療費は私の生活を押しつぶすほどだ」など,糖尿病を抱えることの負担は増大するばかりであり,社会の活力を奪っている2).
糖尿病は,自己管理(self-management)が求められる疾患であるが,生活に忙殺されて,決まった時間に食事や服薬ができない状況に陥ることもあり,self-managementがcrisis-managementにつながることも決して稀ではない.さまざまなストレス状況の中で,糖尿病自己管理をうまく継続させるために,自己管理支援(self management support)という新たな体制があれば,自己管理はもっと容易になるのではないだろうか.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.