最新基礎科学/知っておきたい
Mohawkと腱靱帯分化
小田邉 浩二
1
,
浅原 弘嗣
2
Koji OTABE
1
,
Hiroshi ASAHARA
2
1東京医科歯科大学再生医療研究センター
2東京医科歯科大学大学院システム発生・再生分野
pp.50-53
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200442
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はじめに
骨格間を連結する靱帯と骨格筋と骨を連結する腱は,関節の安定化と効率のよい運動を可能とし,運動器の構成体が連動して機能するために不可欠となる3).腱・靱帯は,組織学的には規則正しく配列した腱細胞と,主にコラーゲンからなる間質で構成される.腱・靱帯組織の血流は一般的に乏しく,損傷を受けた場合は瘢痕組織により修復され,生体力学的に十分な強度が得られにくい.そのため腱・靱帯の発生と再生を司る,分子生物学的な主要機序の解明が待望されている.
腱・靱帯は骨・軟骨・脂肪・筋肉といった他の間葉組織と同様に,間葉系幹細胞から分化すると考えられている.しかし,間葉系幹細胞の腱・靱帯分化に関する知見は限られており,どのようなファクターが分化を決定づけるか,今までは十分には解明されていなかった.
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