連載 整形外科の歴史・8
小児整形外科の歴史
藤井 敏男
1
1佐賀整肢学園こども発達医療センター
pp.1118-1123
発行日 2015年11月25日
Published Date 2015/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200384
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はじめに
1970年のわが国の出生数は193万人と多く(2010年107万人),整形外科外来にも多くのこどもたちがいた.当時の発育性股関節脱臼(DDH)の発生率は1%と高く(2010年頃約0.3%),それを専門領域とする教授も多かった時代でDDHは整形外科の必須疾患の1つであり,小児整形外科は整形外科日常診療の中に含まれていた.1942年に高木憲次教授(東京大学)が創設された「整肢療護園」(東京)を嚆矢として,各県に肢体不自由児施設が開設され,主にポリオ患者を診療していた.1959年の皇太子ご成婚(今上天皇)を機に1965年に国内初の小児総合医療施設として国立小児病院(東京)が創設され,その後,兵庫県立と神奈川県立(1970),静岡県立(1977),福岡市立(1980)の“こども病院”が続き,小児整形外科センターが展開され始めた.
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