誌上シンポジウム 難治性テニス肘はこうみる
緒言
和田 卓郎
1
1北海道済生会小樽病院
pp.302
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200168
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テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は,頻度の高い上肢の疼痛性疾患である.成人における有病率は4%とされ,手根管症候群に次ぐ頻度である.テニス肘には保存治療が有効であることはよく知られている.一方,保存治療を行っても症状が改善せず,慢性化,難治化する例が少なからず存在し,臨床家の頭を悩ませる.
日本整外科学会からテニス肘の診療ガイドラインが出版され,すでに9年経過した.この間,保存治療の代表であるステロイド局所注射も,多数回行えば難治化の要因になるとの報告が相次いだ.また,難治例に対して関節鏡視下手術が行われるようになり,滑膜ひだ,軟骨損傷など関節内病態が注目されるようになった.このような経過を踏まえ,難治性テニス肘の新しい治療戦略に関する特集を組ませていただいた.
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