連載 いまこそ知りたい臨床医に必要な放射線の知識Q&A・7
Q7 原爆による人体への影響
折田 真紀子
1
,
高村 昇
1
1長崎大学医歯薬学総合研究科国際保健医療福祉学研究分野
pp.596-598
発行日 2014年7月25日
Published Date 2014/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408103092
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1945年8月6日に広島,3日後の8月9日に長崎に原子爆弾(原爆)が投下されました.2発の原爆によって広島,長崎の多くの市民が死に至り,70年近くが経過した現在でも多くの被爆者が健康被害の影響に苦しんでいます.一方で,福島第一原発事故以来,一般社会における放射線被ばくと健康影響についての関心が高まっていますが,長年に渡って行われてきた原爆被爆者を対象とした健康影響調査は,世界で最も信頼され,放射線被ばくと健康影響についての国際的な科学的合意の基盤となってきました.放射線被ばくの影響に閾値はあるのか,低線量被ばくの健康影響をどのように考えるべきなのかなどの議論の中心となる調査結果は,まさに原爆被爆者の調査から得られた知見がもとになっています.今回は,原爆被爆者の健康影響調査に基づく放射線被ばくの影響について概説します.
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