連載 知ってますか?整形外科手術の変遷・7
腱板断裂の手術
三笠 元彦
1
1松戸整形外科病院
pp.994-999
発行日 2012年10月25日
Published Date 2012/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102487
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直視下手術
腱板断裂に対し最初に手術をしたのは,Codmanである.1909年に最初の手術を行い,1911年に2例を報告している1).断端の引き込みのある断裂で何とか大結節に縫合しており,可動域は良好で患者は満足している.
術式はその著「The Shoulder」(1934)に,小断裂にマットレス縫合したもの(図1-a)と,両サイドに補助切開を加え,腱端を前進させて大結節に縫着したものが掲載されている(図1-b)2).現在,McLaughlin法と呼ばれているものである.1938年の報告では3),その方法を改良して,腱板端を斜め前方に引き出して,前方部を側々縫合し,末梢部を大結節にマットレス縫合している(図2).Codmanの腱板手術における今ひとつの業績は展開でSaber cut法を紹介したことである(図3)4).前方は肩鎖関節で離断し,後方は肩峰基部で骨切りして腱板断端部を大きく展開している.
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