連載 臨床実習サブノート 運動器疾患の術後評価のポイント—これだけは押さえておこう!・9
腱板断裂
石川 博明
1
Hiroaki ISHIKAWA
1
1ユタ大学整形外科
pp.1466-1471
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202154
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はじめに
手術適応となる代表的な肩関節疾患には,腱板断裂や反復性肩関節脱臼,投球障害肩(上方関節唇損傷)などがあります.そのなかでも腱板断裂は手術件数が比較的多く,実習生が接する機会も多々あります.術後理学療法の目標は,再断裂や脱臼,骨折などの術後合併症を予防し,関節可動域や筋力などの機能を回復させることです.まずは,疾患や手術に関する知識を整理し,予後や理学療法を行ううえでのリスクを把握します.理学療法は術式や主治医の方針に基づいて作成されたプログラムに沿って行いますが,疼痛の改善や機能回復がうまく進まない症例も少なくありません.術後評価ではこの原因を明らかにし,評価をもとに理学療法プログラムを修正していくことが良好な治療成績を得るための鍵となります.本稿では,疾患および手術の特徴,禁忌事項を整理するとともに,安全かつ効果的な理学療法を遂行するうえで必要な評価のポイントを解説します.
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