境界領域/知っておきたい
リウマチ患者の間質性肺炎チェックポイント
藤田 次郎
1
1琉球大学大学院感染症・呼吸器・消化器内科学(第一内科)
pp.988-993
発行日 2012年10月25日
Published Date 2012/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102485
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はじめに
関節リウマチ患者には,しばしば関節リウマチに随伴する間質性肺炎を合併する.また関節リウマチの治療に用いる薬剤によっても間質性肺炎は発症しうる.さらに免疫抑制剤の使用に伴う免疫能の低下により,Pneumocystis jirovecii肺炎,およびcytomegalovirus肺炎などの感染症を合併する.これらの疾患はいずれも画像パターンが類似するため,肺病変の原因を特定することは困難なことが多い.また,日本人は欧米人に比べ,薬剤性間質性肺炎を合併する頻度が高いと考えられ,特に男性,喫煙者,粉塵吸引歴を有する者には注意を要する.
本稿では,リウマチ肺,感染症,および薬剤性間質性肺炎の病態を明らかにするとともに,その鑑別診断,および様々な血清マーカーを用いた鑑別診断の方法について概説した.
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