特集 病院枕を分析する
枕開発の現状と将来—求められる高齢者用枕とは
松野 栄孝
1
1ロフテー株式会社快眠スタジオ
pp.531-534
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903749
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枕の役割と歴史
私どもロフテー株式会社は,寝装品のメーカーとして長い間,生活者に対していわゆる「寝具」を供給してきましたが,1989年に快眠スタジオを東京・南青山に設立し,1階「ねむり文化ギャラリーα」をとおして,世の中に眠りの大切さを啓蒙してまいりました.現在は眠りを多彩な方面から研究し,その中から生まれた「眠具」を提案し続けてきております.「枕」は中でもいちばん眠りに密接な因果関係を持つものとして,多くの支持を得,最近の新商品開発においては突出するものがあります.
そもそも「枕」はなんのためにあったのかということを,当社の「睡眠文化研究所」による資料を元に歴史的な視点で捉えてみると,古くは草,菅(すげ),薦(こも),藁(わら)や,柘(つげ),杉などの木,石,土などが使われていました.その後,括り枕や,陶枕,箱枕などを経て,布製や綿(わた)製のもので形態も丸いものから,現在の形に近い平枕へと変わってきました,もちろん,その間に竹,籐の枕,竹夫人や籠枕,持ち運びのできる旅枕などがありました.
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