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あとがき
菊地 臣一
pp.586
発行日 2011年6月25日
Published Date 2011/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102028
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この時季の,遠目に見える山間(やまあい)の山桜と辛夷が,今年も福島盆地に春が来たことを実感させてくれます.
東日本大震災では,私の勤務地である福島県は地震と津波に加えて原発事故に見舞われ,それは今もなお,収束の目途が立っていません.風評被害が大人のみならず,子供にまで及んでいます.人心の当て所(あてど)なさに哀しみを覚えます.当初は,医療従事者を含め多くの方が不安で,浮き足立ちました.それにしても,私を含めた医療従事者の“放射線”に対する知識は,とても国民を安心させることができるレベルではありません.これだけ原子力発電所を抱えているわが国では,これを機会に医学教育カリキュラムを再検討する必要があることを痛感しました.この震災に対して,多くの方から御見舞いと御支援を戴きました.紙上を借りて御礼申し上げます.
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