Lecture
拡散テンソルトラクトグラフィ
藤吉 兼浩
1
,
中村 雅也
1
,
山田 雅之
6,7
,
疋島 啓吾
4,7
,
北村 和也
1
,
辻 収彦
1
,
名越 慈人
1
,
向野 雅彦
5
,
百島 祐貴
3
,
加藤 裕幸
1
,
石井 賢
1
,
松本 守雄
1
,
千葉 一裕
1
,
岡野 栄之
2
,
戸山 芳昭
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
2慶應義塾大学医学部生理学
3慶應義塾大学医学部放射線科
4慶應義塾大学医学部総合医科学研究センター
5慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学
6藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科
7実験動物中央研究所
キーワード:
拡散テンソルトラクトグラフィ
,
核磁気共鳴像
,
MRI
,
脊髄損傷
,
コモンマーモセット
Keyword:
拡散テンソルトラクトグラフィ
,
核磁気共鳴像
,
MRI
,
脊髄損傷
,
コモンマーモセット
pp.692-699
発行日 2008年7月25日
Published Date 2008/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101325
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はじめに
核磁気共鳴像(MRI)は現代の医療において不可欠な検査法であり,その有用性は論を俟たない.MRIにおける応用技術の開発もとどまるところを知らず,最近ではfunctional MRIやMRS(magnetic resonance spectroscopy)が注目されている.水分子の拡散を利用したMRI全般を拡散MRI(diffusion MRI)といい,拡散運動を強調して画像化したものを拡散強調像(diffuison weighted MR imaging:以下DWI)という.DWIはいちはやく臨床応用された撮影法であるが,近年では拡散テンソルMRI(diffusion tensor MR imaging:以下DTI)や,拡散テンソルトラクトグラフィ(diffusion tensor tractography:以下DTT)と呼ばれる撮像法が注目され,世界中で研究がなされている.しかし整形外科領域において“拡散MRI”は相変わらず耳慣れない言葉であり,これを正確に理解している人は少数と思われる.そこで,本稿では特にDTTに焦点を絞り拡散MRIを解説し,われわれの最新の研究結果とあわせて概説する.
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