Japanese
English
シンポジウム 外傷に伴う呼吸器合併症の予防と治療
髄内釘手術と肺脂肪塞栓
Pulmonary Fat Embolism during Reamed and Unreamed Intramedullary Nailing
新藤 正輝
1
,
田中 啓司
1
,
相馬 一亥
2
,
西巻 博
2
,
糸満 盛憲
3
Masateru Shindo
1
1昭和大学医学部救急医学
2北里大学医学部救急医学
3北里大学医学部整形外科
1Department of Emergency & Critical Care Medicine, Showa University School of Medicine
キーワード:
intramedullary nailing
,
髄内釘手術
,
pulmonary fat embolism
,
肺脂肪塞栓
,
reaming
,
リーミング
Keyword:
intramedullary nailing
,
髄内釘手術
,
pulmonary fat embolism
,
肺脂肪塞栓
,
reaming
,
リーミング
pp.601-606
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100700
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抄録:[目的および方法]骨折やリーミング操作が肺に及ぼす影響について,気管支肺胞洗浄液の分析および肺血流シンチにおける陰影欠損の評価を用いて検討した.また,これらの結果を脂肪塞栓症候群発症群と比較検討するとともに,発症後の髄内固定の是非および時期についても検討した.[結果]多くの例において,骨折や髄内釘手術により潜在的肺脂肪塞栓が生じていたが,いずれも臨床症状を呈するほどのものではなかった.また,リーミングの有無による明らかな差も認められなかった.肺脂肪塞栓量については,脂肪塞栓症候群発症例と非発症例で差は認められなかった.発症後早期の髄内固定は,厳重な呼吸管理下においては安全に行え,術後の呼吸機能の悪化もみられなかった.[結論]骨折,髄内釘手術後に発症するARDSは,肺毛細血管への脂肪塞栓に端を発していることは間違いないが,脂肪塞栓量とは必ずしも相関がみられず,他の因子の関与が示唆された.
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