綜説・今月の臨床
実地臨床に役立つ食道癌悪性度のパラメーター—転移・再発の予知因子
渡辺 寛
1
,
加藤 抱一
1
,
日月 裕司
1
,
山口 肇
2
,
落合 淳志
3
Hiroshi WATANABE
1
1国立がんセンター中央病院外科
2国立がんセンター中央病院内視鏡部
3国立がんセンター中央病院病理部
pp.57-62
発行日 1995年1月20日
Published Date 1995/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905136
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Ⅰ.はじめに
現状では食道癌を治癒しうる治療法は手術治療が主体である.しかし近年,シスプラチンの臨床効果が今までにない制がん効果を示すことから,食道癌手術例に対しては,手術前に術後の転移・再発を予知することが臨床の場で要望されてきた.すなわち,術後早期に転移・再発をきたす症例にはあらかじめneoadjuvant療法を行ったあと手術を行う療法が効を奏する例に遭遇するからである.本稿では,実地臨床に役立つ転移・再発予知因子,役立つ情報などを中心に,そして新しい予知因子として手術時点の微小転移について言及する.
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