Japanese
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ジュニアコース
心筋収縮能力をあらわすパラメーター
Parameters for the Clinical Assessment of Left Myocardial Contractile State
安田 寿一
1
Hisakazu Yasuda
1
1東京大学医学部第二内科学教室
1The 2nd Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.883-891
発行日 1972年10月15日
Published Date 1972/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202426
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心臓の収縮能力(contractility)という言葉はもともと心臓の収縮機能とくにポンプ機能に関連していわれ,比較的安易に用いられる傾向にあつたが,心臓の収縮機能を調節する種々の要因が明らかとなるにつれて,その曖昧性が問題にされてきた。しかし一方では,臨床上の必要性から新しいパラメーターや方法が数多く提唱されてきている。そこで,はじめに現在のところ,臨床的にどんなパラメーターが心臓の収縮能力を示すものとして使われているかを表1に一括して示めそう。これらを大きく分けると,従来広く使われてきた心臓のポンプ機能に関するものと,最近問題にされてきた心筋機能に関するものとがある。後者は心臓の収縮能力を評価する目的で,骨格筋ついで乳頭筋などの心筋切片から得られた筋メカニックスの概念を拍動心に応用し,さらに臨床例にも広く応用し,心収縮力のパラメーターとする試みであり,その妥当性については現在種々議論のやかましいところである。
以下,この心筋機能からみた心収縮能力について解説を試みるが,心臓全体の収縮性あるいはポンプ機能の有効性を考える場合にはポンプ機能に関するものも依然として重要なパラメーターであることは否定しえない。そこで主題に入る前に従来のポンプ機能からみた心臓の収縮性について簡単にふれてみたい。
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