特集 癌診療に役立つ最新データ
Ⅶ.肝癌
肝癌の再発診療に関する最新のデータ
山崎 晋
1
,
小菅 智男
1
,
島田 和明
1
,
佐野 力
1
Susumu YAMASAKI
1
1国立がんセンター中央病院肝胆膵外科
pp.195-202
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905031
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肝細胞癌切除後1/3の症例が1年以内に,2/3が3年以内に再発する.再発部位は8割は肝臓のみであり,15%で「肝臓+他の臓器」に,遠隔転移のみは5%程度である.遠隔転移は,肺,骨,リンパ節,副腎の順に多い.肝細胞癌の再発はいつまでも続く可能性があり,再発監視の検診は一生涯続けなければならないが,肝切除後3年経過すると,再発頻度は低下するので半年に1回でよい.検診方法は,CT,超音波検査などの侵襲性の低い画像診断と腫瘍マーカーを施行する.再発に対する治療は,基本方針は原発癌に対するものと同じである.再発後の生存率は,再発後3年,5年でそれぞれ40.3%,22.7%であった.肝細胞癌の死因は,半数が癌死で,以下,肝不全,消化管出血,肝癌破裂などが続く.
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