特集 エビデンスから見直す癌術後患者のフォローアップ
〔Editorial〕エビデンスから見直す癌術後患者のフォローアップ法
田島 知郎
1
Tomoo TAJIMA
1
1東海大学医学部外科
pp.728-729
発行日 2002年6月20日
Published Date 2002/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904880
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わが国では,癌初回治療後の患者について,定期的な各種画像診断法や腫瘍マーカー検査を組み入れて,重点的とも呼べるフォローアップ法が一般的には実施されている.これがどの程度のエビデンスに基づいているかを見直し,仮に効果がないのであれば無用な部分を整理しようというのが今回の特集の主眼である.本稿は,各癌についての論説に備えてのものであるが,この主題が外科医の仕事の内容や医療の将来とも密接に関わっているので,そのあたりまで考えてみたい.何故ならば,癌術後患者のフォローのために外科医がかなりの時間を費やしているからであり,もし無用な部分を見つけ出して,そこを割愛できれば,外科志望者が減少するほどの3K状況に陥っている外科医の職場を多少は改善できることにつながる可能性があり,また医療内容をじっくり吟味することは,医療費や医療保険制度を抜本的に見直し,医療の方向性を考えることになるからである.重要なポイントは,外科医が臨床の核であることを自覚し,その外科医が問題点に目覚めて,これからの医療をリードすることにある.
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