Japanese
English
臨床研究
腹腔鏡下天蓋切除(deroofing)と遺残嚢胞壁焼灼を基本とした肝嚢胞治療
Laparoscopic treatment for liver cyst using deroofing and destroying epithelium in the residual cystic wall
權 雅憲
1
,
乾 広幸
1
,
上山 泰男
1
Masanori KWON
1
1関西医科大学第1外科
キーワード:
肝嚢胞
,
腹腔鏡手術
,
天蓋切除
,
deroofing
,
アルゴンビーム凝固器
Keyword:
肝嚢胞
,
腹腔鏡手術
,
天蓋切除
,
deroofing
,
アルゴンビーム凝固器
pp.1535-1539
発行日 2001年11月20日
Published Date 2001/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904709
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
非寄生虫性肝嚢胞の頻度は4〜7%で加齢とともに増加し,通常は胆管や脈管に浸潤することはなく胆管との交通もみられない1,2).大部分の患者は無症状であるが,嚢胞内出血や破裂,感染,嚢胞による圧排,肝実質の萎縮により症状が出現し,これら有症状例には治療が必要となる.
肝嚢胞に対する手術としては嚢胞の開窓術や天蓋切除(deroofing)が安全で有効であり広く行われてきた3,4).近年,侵襲の軽減を目的とした腹腔鏡下開窓術や天蓋切除術が行われている.しかしながら,腹腔鏡下治療を施行した肝嚢胞の再発評価に関しては多くの報告がなされているが,経過観察期間が短いことと再発の評価法が一定でないことから不十分である5,6).筆者らは肝嚢胞に対して広範な腹腔鏡下天蓋切除とアルゴンビーム凝固器(以下,ABC)による遺残嚢胞壁の焼灼を基本としており,その有用性を術後再発の観点から検討した.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.