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特集 肝良性疾患—鑑別診断と治療法選択のupdate
寄生虫性肝嚢胞
Parasitic liver cyst
紀野 修一
1
,
葛西 眞一
1
Shuichi KINO
1
1旭川医科大学第2外科
キーワード:
エキノコックス症
,
寄生虫性肝嚢胞
,
血清診断
Keyword:
エキノコックス症
,
寄生虫性肝嚢胞
,
血清診断
pp.893-901
発行日 2001年7月20日
Published Date 2001/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904508
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寄生虫疾患で肝に嚢胞性病変をきたす可能性のある疾患として,肝包虫症,アメーバ性肝膿瘍,肝吸虫症,肝蛭症が挙げられる.最も遭遇する可能性が高い多包虫症は,北海道の風土病と思われているが,北海道以外でも患者が発生している.また,本症は進行すると肝悪性腫瘍に似た病態をとり,肺,脳などに転移性病巣を作るが,有効な化学療法が施行できるため,正確に診断し治療することが重要である.肝腫瘤性病変や嚢胞性病変で,日常経験する腫瘍や嚢胞と比較して非典型的な所見を呈する場合は,本症に特異的な血清診断を行い治療前に確定診断を得ることが大切である.
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