Japanese
English
特集 外科医に求められる緩和医療プラクティス
緩和医療の実際
精神的ケア
がん患者の精神症状—その診断と治療
Psychiatric symptoms in cancer patients:diagnosis and management
明智 龍男
1,2
,
中野 智仁
3
,
内富 庸介
1,2
Tatsuo AKECHI
1,2
1国立がんセンター研究所支所精神腫瘍学研究部
2国立がんセンター東病院精神科
3国立がんセンター中央病院精神科
キーワード:
精神症状緩和
,
せん妄
,
抑うつ
Keyword:
精神症状緩和
,
せん妄
,
抑うつ
pp.1101-1105
発行日 2000年9月20日
Published Date 2000/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904193
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
先行研究から,がん患者に頻度の高い精神症状は,せん妄と抑うつであることが示されている.せん妄は意識混濁にさまざまな精神症状を伴う特殊な意識障害であり,がんの進行に伴い頻度が高くなる.せん妄の診断に際しては,症状の日内変動や見当識障害の存在などが重要である.背景に存在する原因に対しての治療が原則であるが,治療困難な場合は,対症療法として抗精神病薬を主体とした薬物療法が行われる.
抑うつは,軽度のものも含めると,がんの全臨床経過を通じて20〜40%程度の頻度で認められる.抑うつの治療は,支持的精神療法と薬物療法を組み合わせて行われるが,抗うつ薬の投与に際しては,患者の身体状態や各薬剤の有する特徴を十分踏まえたうえでのきめ細かい投与計画が必要である.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.