特集 薬物療法マニュアル
Ⅶ.併存病態の理解と薬物療法
5.腎・尿路疾患
ネフローゼ症候群
河邊 満彦
1
,
秋元 成太
2
Mitsuhiko KAWABE
1
1日本医科大学腎クリニック
2日本医科大学泌尿器科
pp.486-488
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903927
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
基本的な事項
ネフローゼ症候群(以下,ネ症)は腎糸球体傷害による糸球体基底膜(以下,GBM)の蛋白透過性亢進による3.5g/日以上の蛋白尿と,6.0g/dl以下の低蛋白血症(アルブミンで3.0g/dl以下),浮腫,高脂血症(総コレステロール250mg/dl以上)などを認める症候群であり,原因として原発性および続発性の糸球体疾患がある.平成6年度厚生省特定疾病進行性腎障害調査研究班(班長:黒川 清)報告では,成人の原発性疾患は微小変化群(36.7%:以下,MCNS),膜性腎症(33.5%),メサンギウム増殖性腎炎(13.5%),巣状糸球体硬化症(8.9%:以下,FSGS),膜性増殖性糸球体腎炎(5.5%)の順で年代の変遷を認める.続発性は糖尿病,ウイルス性肝炎,サルコイドーシス,ループス腎炎など多彩である.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.