特集 薬物療法マニュアル
Ⅱ.検査・処置・内視鏡的治療に伴う薬物療法
5.肝胆膵
POPS(経口的膵管鏡検査)
山雄 健次
1
,
大橋 計彦
1
,
松浦 昭
1
,
栗本 組子
1
,
中村 常哉
1
,
鈴木 隆史
1
,
渡辺 吉博
1
,
高橋 邦之
1
,
竹田 欽一
1
,
直田 浩明
1
,
今井 奈緒子
1
,
藤田 直也
1
Kenji YAMAO
1
1愛知県がんセンター消化器内科
pp.136-137
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903803
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基本的な事項
1.検査方法
経口的膵管鏡検査法(peroral pancreatoscopy:POPS)はERCPのカテーテルの代わりに細径の子ファイバーを主膵管内に挿入し,病変部を観察する方法である.現在使用されている子ファイバーには,3〜5mmの太径でアングル機構,洗浄口および鉗子口を有するものと,1mm以下の極細径でアングル機構および鉗子孔をもたず,ERCPカテーテルをガイドに主膵管内に挿入して観察するものに二大別される(表1)1).前者は観察能に優れ,直視下生検やバスケットカテーテル,レーザーを用いた膵石の破砕・除去などの治療にも応用できるが,太径であるため特殊な疾患(いわゆる粘液産生膵腫瘍)を除き,乳頭切開やバルーン拡張などの前処置が必要である.一方,超細径ファイバーは元来血管内視鏡として開発されたもので,挿入に際しては乳頭切開は不要で,ERCPに引き続いて実施できる利点がある.ただし,アングル機構がないため観察不十分な箇所が生じる可能性がある.
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