Japanese
English
特集 急性腹膜炎—病態と治療の最前線
Ⅰ.病態—最近の知見
1.腹腔内感染とエンドトキシン
Intraabdominal bacteria and endotoxin in serum of patients with peritonitis
谷村 弘
1
,
岩橋 誠
1
,
中谷 佳弘
1
Hiroshi TANIMURA
1
1和歌山県立医科大学第2外科
キーワード:
腹膜炎
,
腹腔内細菌
,
血中エンドトキシン
Keyword:
腹膜炎
,
腹腔内細菌
,
血中エンドトキシン
pp.1100-1104
発行日 1998年9月20日
Published Date 1998/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903268
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腹膜炎はグラム陰性菌の分離頻度が高く,しかも複数菌感染の場合が多く,複数の細菌の共同作用による病原性の増加や,それぞれの菌から放出されるエンドトキシンの相乗作用によって重篤化する.腹膜炎に伴うエンドトキシン血症の治療は,手術による原疾患の治療が最優先であり,必要に応じて腹腔内洗浄と適切なドレナージを行う.穿孔部位などより予想される菌種を考慮して,特に抗菌薬の種類によってエンドトキシンの遊離に違いがあることを銘記し,菌体のフィラメント化によるエンドトキシンの遊離に注意して薬剤を選択しなければならない.治療に際してエンドトキシン血症に十分留意し,SIRSよりMOFへの進展を阻止するために,病態を考慮した抗エンドトキシン療法,抗サイトカイン療法も試みるべきである.
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