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特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域疾患の最新疫学
難聴・耳鳴の疫学
Epidemiology of hearing loss and tinnitus
中島 務
1
,
安江 穂
2
Tsutomu Nakashima
1
,
Minori Yasue
2
1名古屋大学医学部耳鼻咽喉科
2国立長寿医療研究センター耳鼻咽喉科
pp.1038-1044
発行日 2013年12月20日
Published Date 2013/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102682
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POINT
●難聴は,年齢が進むと有病率が上昇するが,耳鳴有病率は年齢とともに上昇するが60歳代,70歳代をピークに減少傾向になる。
●加齢による難聴では,高音部では男性が女性より悪いが,低音部はむしろ女性のほうが悪い傾向にある。
●耳鳴が「常に有」人は,その後,経過をみても「常に有」状態が続きやすいが,耳鳴の不快度は,耳鳴が常に有り続ける確率よりも少なく,数年後には「まあまあ不快」へ軽快したり,さらには「不快ではない」状態にもなりうる。
●耳鳴は睡眠・抑うつの関連因子である。
●突発性難聴の約9割,急性低音障害型感音難聴の約6割の患者が耳鳴を訴える。突発性難聴固定後は耳鳴も固定する例が多い。しかしながら,耳鳴は,聴力が固定してからでも,一部の症例で軽快する例がある。
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